大小6つの島からなる宮古島市の中でもっとも大きな島が宮古島です。沖縄本島から約300kmも南西に離れているので、南の島ならではの美しい海と豊かな自然を満喫できます。この記事では、宮古島までのアクセス方法と観光スポットについて紹介します。
宮古空港への定期便を就航しているのは、全日空(ANA)、日本トランスオーシャン航空(JTA)、琉球エアーコミューター(RAC)、アシアナ航空の4社です。そのうち全日空は、東京(羽田空港)、大阪(関西国際空港)、名古屋(中部国際空港)、福岡(福岡空港)、那覇(那覇空港)の5都市との間に直行便があります。このうち、福岡との直行便は、2018年6月1日から10月27日の季節便として20年ぶりに運航が再開されたものです。しかし、2018年から通年化が決まった名古屋-宮古島間の直行便も、2017年は季節便でした。福岡-宮古島間の通年化を望む声が多いことから、福岡便の通年化の可能性は高いといえます。
日本トランスオーシャン航空はほとんどが那覇-宮古島間のフライトで、羽田便は1日1便だけです。琉球エアーコミューターは、石垣島や多良間島といった離島との間を主に結んでいます。アシアナ航空の便は、那覇間の毎日1便のみです。
直行便のフライト時間は便により若干異なります。羽田空港からが約2時間40分、関西国際空港からが約2時間10分、中部国際空港からが約2時間30分、福岡空港からが約2時間です。
沖縄本島で観光してから宮古島へ行く場合は、那覇空港と宮古空港を結ぶ路線を利用します。那覇-宮古島間のフライト数は往復それぞれ15本ずつと多く、県外の各空港と那覇を結ぶ便数も多いことから、那覇経由で宮古島を訪れる観光客は少なくありません。那覇-宮古島間のフライト時間は約55分です。
宮古島へLCCを使って行きたいと考えているのであれば、JETSTARが下地島空港へ運航を開始しました。宮古空港へは直行便も那覇経由の便もLCCは就航していません。かつてはスカイマークが那覇-宮古島、那覇-石垣島の路線を運航していましたが、2015年3月に撤退しました。それ以降、宮古空港に乗り入れているのは、全日空、日本トランスオーシャン航空、琉球エアーコミューター、アシアナ航空の4社のみなので、LCCで行くことはできなくなっています。
沖縄県内から宮古島へのアクセスは、飛行機が中心です。沖縄本島からなら、那覇空港と宮古空港を結ぶ路線で移動します。毎日片道15本の就航があり、フライト時間はおよそ55分です。
多良間島と石垣島から宮古島へ移動する場合も飛行機を利用できます。多良間島-宮古島、石垣島-宮古島の路線はいずれも1日2便ずつの就航です。フライト時間は多良間島-宮古島が約25分、石垣島-宮古島が約30分なので、短時間でアクセスできます。
多良間島との間はフェリーでも移動が可能です。多良間海運のフェリーたらまゆうが、宮古島の平良港と多良間島の普天間港の間を1日1往復、片道約2時間かけて就航しています。ただし、日曜日は運休です。
宮古島の周辺には、フェリーで移動が可能な離島がもう1つあります。大神島です。宮古島の島尻港と大神島の大神漁港の間を、大神海運のニューかりゆすが片道約15分で毎日5往復しています。
かつては、沖縄本島や伊良部島との間にもフェリーの就航がありましたが、2018年9月現在は、沖縄本島-宮古島のアクセスは飛行機のみです。また、伊良部島との間には、2015年1月31日に伊良部大橋が開通したため、伊良部島-宮古島間のフェリーの運航は終了しています。しかし、伊良部大橋は、無料で渡れる日本一長い橋です。利便性が増したうえに、宮古島、伊良部島双方の観光スポットにもなっています。宮古島は池間島や来間島とも橋でつながっているので、伊良部島、池間島、来間島の3島は宮古島を通じて陸路での移動が可能です。
宮古島は北緯24~25度、東経125~126度の位置にある宮古群島(宮古列島または宮古諸島ともいう)の中でもっとも大きな島です。宮古群島を形成している大小8つの島の中ではもっとも東側に位置しており、沖縄本島からは約300km南西方向に離れています。そのため、本州や四国、九州などの温帯気候とはまるで異なる亜熱帯海洋性気候です。亜熱帯海洋性気候は、高温多湿で年中を通して温暖という特徴があります。ただし、亜熱帯は温帯よりも暑いのかというと、必ずしもそうではありません。海からの風が吹き抜けるため、猛暑にはなりにくいところです。年間の平均気温は23.3度で、7月、8月でも平均気温は28度台ですから、案外過ごしやすいことがわかります。宮古島は、鉄筋コンクリートの建物やアスファルトの道など、一度熱を持ったら冷めにくいものが少ないので、とくに夜間は都市部より涼しく感じられるでしょう。しかし、平均湿度は79%です。4~9月は平均湿度が80%を超えるので、気温のわりに蒸し暑さを感じるかもしれません。
観光で宮古島を訪れるなら、9月は強い台風が襲来しやすいので注意が必要です。アクセスが飛行機とフェリーのみの離島ですから、台風情報はまめにチェックする必要があるでしょう。年間の温度差は大きくありませんが、10月頃から気温が下がりはじめ、3月ころから少しずつ暖かくなってきます。
池間島は宮古島から約1.5km北西側に位置する離島です。周囲が10kmほどしかない小さな島で、宮古島との間は池間大橋でつながっています。車を使えば30分ほどで行くことができる島なので、宮古島を訪れた観光客が気軽に足を延ばせる観光スポットの1つとして人気です。
池間島の魅力は透明度の高い海ということもあり、海でのアクティビティを楽しめるスポットがたくさんあります。中でも、島の西部にあるアラシッスヒダビーチ、北西部にあるイキヅービーチ、北部にあるカギンミヒダビーチ、フナクスビーチは、シュノーケリングや海水浴を楽しむ人が多く集まるビーチです。南の海でしか見られない、カラフルな魚たちやサンゴに囲まれながら、ゆったりとした時間を過ごしてみてはいかがでしょうか。
池間島のレストランやカフェの数は多いとはいえませんが、海を眺めながら食事や休憩できる飲食店はいくつかあります。レジャーを思い切り楽しんだ後は、南国ムード溢れるレストランやカフェにも立ち寄ってみましょう。
来間島は、宮古島の南西部に浮かぶ周囲9kmほどの小さな離島です。宮古島との間が全長約1.7kmの来間大橋でつながっているので、車に乗れば宮古島の中心街からでも約20分で行くことができます。池間島同様、美しい白浜と海が広がるビーチが複数あるので、海水浴やシュノーケリングを楽しむ人は少なくありません。来間大橋を渡ってすぐのところには遠浅の来間港ビーチが、真ん中あたりには長間ビーチが、奥の方には長間浜など、美しいビーチがたくさんあります。しかし、いずれも海水浴場やシュノーケリングポイントとして公には指定されておらず、監視員がいないので、安全に関しては注意が必要です。とくに、来間島の西側に位置する長崎浜は岩場が多く、水の流れも速いため、海水浴などには向きません。泳ぎに慣れている人でも油断せず、天候の変化や海の状況には万全の注意を払いましょう。海の美しさに気を取られて、危険なことはしないようにすることが大事です。
宮古島から車で行ける来間島には、竜宮城展望台という抜群の眺望を誇る観光スポットがあります。竜宮城展望台は、来間島の高台に竜宮城をイメージして建てられた3階建て建物です。伊良部島や来間大橋、美しく広がる海などをまとめて眺められる絶景スポットです。砂浜の白と海の青とのコントラストや、海中のサンゴが織りなす青から紺へのグラデーションを見るなら、午前中がよいでしょう。展望台の下には食堂や土産物店もあるので、立ち寄ってゆっくりしていくこともできます。
宮古島海宝館は、宮古島の南東の海沿いにある総合レジャー施設です。宮古島の魅力を凝縮した施設で、1日中遊ぶことができるため、アソビタウンという別名が付いています。宮古島の海を満喫するなら、海宝館マリン部のシ―ブルームを訪ねましょう。体験ダイビングやシュノーケリング、シーカヤックなど海のレジャーをいろいろと楽しめます。水着とバスタオルと日焼け止めがあれば、その他の道具がなくてもダイビングを楽しめるので、気軽にチャレンジしてみましょう。ウミガメに99%会えるスポットに連れて行ってもらえることでも知られています。
ツアーガイドが同行する鍾乳洞体験は老若男女を問わず楽しめるアクティビティです。宮古島が作り出した自然の神秘を満喫できます。鍾乳洞が水面下になってしまう大潮の時間帯を除き、シーカヤックによるツアーとトレッキングによるツアーのいずれかを楽しめます。好きな方を選んで参加してみるとよいでしょう。
ほかにも世界中の貝を1万2000点もあつめて展示しているシェル・ミュージアムや、自分だけのお土産を手作りできる貝細工工房などもあるので、雨が降っても楽しめるスポットです。海宝館の2階には海の見えるレストランがあり、沖縄の郷土料理も味わえます。
宮古島のダイビングスポットは、伊良部・下地島エリア、八重干瀬エリアと宮古島東南エリアの大きく分けて3つです。宮古島本島と池間大橋や来間大橋でつながっている池間島、来間島のダイビングスポットは、八重干瀬エリアになります。
宮古島本島のダイビングスポットは、宮古島東南エリアという名前が示す通り、島の東側と南側に集中しているのが特徴です。水深は1m程度の浅いところから、深いところでは25mもあるところまであるので、ダイビング経験に合うスポットを選びましょう。宮古島本島のダイビングスポットは、いずれも流れがほとんどありません。流れがあるところでも流れはかなり緩やかです。伊良部・下地島エリアや八重干瀬エリアでは流れの強いスポットがあるので、ダイビング経験のある人でも注意が必要です。
透明度の高い海に囲まれ、周囲の離島とも行き来しやすい宮古島は、沖縄本島とはまったく違った楽しみ方ができる島です。宮古島の気候・風土や、宮古島らしさを満喫できる観光スポットの特徴を把握して、自分なりの楽しみ方を見つけましょう。